【温める】五十肩かな?と思ったら

はじめに

【温める】五十肩かな?と思ったら

五十肩とは、肩の痛みや運動制限が特徴的な症状の一つです。しかし、名前の通り50歳以上の方に限らず、30代や40代の人々にも見られることがあります。特にスポーツなどをしていない方でも、何もしていないのに肩が痛くなることがあります。

五十肩は主に、肩の周囲にある軟部組織の炎症や変性が原因とされています。その具体的な原因はまだ完全に解明されていないものの、加齢による組織の変化や過度の使用、姿勢の悪化などが要因として挙げられます。

五十肩の主な症状としては、肩の痛みやこわばり、特に肩を動かす際に痛みが増すことが挙げられます。肩の可動域が制限されたり、寝るときに肩が痛くて寝返りが打ちにくいと感じることもあります。

では、五十肩に対してどのように対処すればよいでしょうか?

  1. 早めの診断と専門家の相談: 症状が続く場合は、早めに医師に相談しましょう。専門家による適切な診断が治療に繋がります。
  2. 安静とストレッチ: 痛みが強い場合は、肩を無理に動かさず、安静にしてください。しかし、完全に動かさないのも良くありません。医師の指示のもとで、軽度なストレッチを行うことで、可動域を維持しましょう。
  3. 温湿布で患部の保温: 温湿布を使って肩を温めるが役立ちます。痛みを軽減させる効果がありますが、長時間の使用は避けましょう。
  4. 薬物療法: 医師の指示により、痛みや炎症を抑えるための薬物療法を行うこともあります。
  5. リハビリテーション: 痛みが落ち着いた後には、リハビリテーションや理学療法を行い、肩の筋力を回復させることが重要です。
  6. 予防: 五十肩の再発を防ぐために、姿勢の改善や肩を過度に使わないような工夫を心掛けましょう。

五十肩は、自然に治ることもある一方で、治療やリハビリテーションを適切に行うことで早期に回復することができる場合もあります。早めの対処が重要なので、症状が出た際には無理をせず、医師の診断を仰ぐようにしましょう。

五十肩とは

五十肩は、別名肩関節周囲炎と呼ばれる疾患であり、原因が明確に特定されない肩の痛みと運動制限が特徴です。

具体的な原因が不明なため、肩に起こる痛みや運動制限が五十肩の兆候であるかを確認するために、腱板損傷(肩甲骨に付く肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の腱が肩の関節や靱帯等で擦れあって起こる肩の痛み)、石灰性腱炎(肩の関節周辺の軟部組織である腱板に石灰が沈着して炎症になるもの)、肩峰下滑液包炎(肩関節周辺の滑液包に石灰が入り炎症が起こるもの)、上腕二頭筋長頭腱炎(二頭筋と言われる筋肉は結節間溝という溝の部分を通り、この溝の部分で擦れる事で炎症が起こったもの)などの病気を除外する必要があります。

五十肩の診断には、他の疾患との鑑別が重要です。例えば、腱板損傷や石灰性腱炎のような特定の原因による痛みと混同されないように注意が必要です。また、糖尿病や心臓疾患などの他の病気と五十肩を見分けることも重要です。

五十肩は原因が明確でないため、正確な診断と適切な治療を受けるためには、専門の医師に相談することが大切です。肩の痛みや運動制限が続く場合には、早めに医療機関での診察を受けるようにしましょう。

症状

五十肩はその名の通り、主に50代から60代に多く見られる疾患で、急に肩の痛みが現れる場合もあれば、徐々に進行して痛みが強くなる場合もあります。痛みの出方は一定ではなく、個人によって異なります。

特徴として、肩の変形や筋肉の萎縮は軽度であり、腫れや肩の熱感はほとんどありません。しかし、日常生活では髪を梳かす、帯やエプロンの紐を結ぶ、洗濯物を干すといった動作が困難になることがあります。肩の可動域が制限されるため、これらの動作が難しくなるのです。

さらに、五十肩は病期によって三つに区分されます。この区分によって症状の進行や重症度を把握することができます。

炎症期

五十肩の炎症期は、症状の最も強い時期で、約2〜12週間続くことがあります。

この期間では、肩の前面や奥の方に激しい痛みを感じることが一般的です。この痛みは時には上腕にまで広がり、広範囲に及ぶこともあります。

痛みは昼夜問わず持続し、特に夜間には痛みが強くなり、睡眠を妨げることがあります。そのため、十分な睡眠を確保することが難しくなります。また、衣服の着脱が困難になるほどの痛みを伴うこともあります。

この炎症期では、痛みのために肩の動きが制限され、日常生活において様々な運動が難しくなります。例えば、髪を梳かす、物を持ち上げる、腕を挙げるなどの動作が苦痛を伴って行えなくなることがあります。

この時期は痛みのピークであり、患者さんの日常生活に多大な影響を及ぼすものです。早期の診断と適切な治療が重要であり、痛みの緩和や運動制限の改善に向けて、医師の指導のもとでリハビリテーションや治療を行う必要があります。炎症期を過ぎると徐々に症状が改善することが期待できるため、適切な対処が重要となります。

拘縮期

拘縮期は、五十肩の症状の進行の中で3〜12か月続くことがあり、長期になる場合もあります。この期間では、拘縮(皮膚や筋肉などの軟部組織が収縮して起こる状態)が進行し、肩の動きが制限される時期です。

五十肩にかかる前のような動作が困難になり、日常生活でできる範囲での動作に制約が生じることがあります。

肩の痛みは炎症期に比べて軽減している傾向がありますが、まだ一部の動作で痛みを感じることがあります。特に寝ている時に寝返りをうつ際に痛みによって目が覚めることがあります。

また、温めたり、お風呂に入ると肩の痛みなどの症状が軽減することが多いです。温熱効果によって筋肉や軟部組織がリラックスし、痛みが和らぐことがあるためです。

拘縮期は痛みのピークが過ぎた時期であり、徐々に症状が改善していく可能性があります。ただし、個人差があるため、完全に症状が消失するまでには時間がかかることもあります。この期間もリハビリテーションや適切なケアを続けることが重要です。拘縮期を過ぎても症状が持続する場合には、医師の指導を仰ぎながら適切な対処を行いましょう。

解氷期

解氷期は、拘縮が次第に寛解していく時期を指します。

この期間では、痛みの出ない範囲で肩を動かしていくことが重要です。少しずつ肩の可動域を広げるために、運動やリハビリテーションが行われます。

温めることも解氷期での重要なアプローチです。温熱効果によって筋肉や軟部組織がリラックスし、肩の可動性を改善していきます。

夜間痛も解氷期には改善していく傾向があります。痛みが和らぐことで、睡眠の質が向上し、日中の生活にも良い影響を及ぼします。

解氷期は、症状が次第に軽減していく段階であり、回復に向けての兆しを示す時期でもあります。ただし、完全に症状が消失するまでには個人差がありますので、焦らず適切なケアを続けることが大切です。

五十肩では温める事が大切

【温める】五十肩かな?と思ったら

五十肩では、温めることが非常に重要です。特に炎症期には無理に動かさないように注意し、患部を温かく保つことが大切です。

炎症期には、肩を布団から出さないようにするなど、痛みの出ない寝方を工夫します。冷えを避けることで肩の痛みを軽減することができます。

どの時期でも冷やすことは避け、常に温めることが重要です。痛みが強くなくなっても、基本的には温めるケアを継続して行ってください。

初期の段階では、動かさないようにしていた肩関節を可動域に応じて、ストレッチやコッドマン体操などの運動を行っていきます。これにより、肩の可動性を徐々に回復させることができます。

肩の痛みや運動制限は個人差がありますが、焦らず適切なケアを続けることで回復の可能性が高まります

何故温めるのか?

【温める】五十肩かな?と思ったら

温める必要がある理由は、五十肩において肩の痛みと運動制限に血行の悪さが関係しているからです。

五十肩は原因が不明なため、肩の周囲の血行が悪くなることで肩の内部の組織に栄養が行きにくくなります。これにより、肩の周囲や内部の組織が動けなくなり、硬くなってしまいます。

肩には腱板と呼ばれる筋肉と、その内部に関節包という組織があります。これらの筋肉や関節包の血行が悪くなると、肩の内部で擦れ、腫れ、血行が阻害されて痛みや可動域の低下につながります。そのため、腱板や関節包を冷やさないようにし、血行が悪くならないようにすることが重要です。

炎症期、拘縮期、解氷期どの時期でも、血行を良くするために温めることが重要です。逆に冷やすことはどの時期でも避けるべきです。

特に夜間痛が起こる原因は、寝ている際の姿勢や血圧の低下により、血行が悪くなり強い痛みを引き起こすからです。

繰り返しになりますが、血行を良くし、保温に努めること、そして拘縮期からは肩を動かすようにすることが五十肩を改善するために非常に重要です。適切な対処を行い、血行を改善することで、五十肩の症状を和らげ、回復に向かう可能性が高まります。

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コッドマン体操

五十肩の炎症期では強い痛みが出ているため、保温と安静にして動かさないように注意することが重要です。

しかし、痛みが少しずつ減ってくる拘縮期からは、保温と一緒にコッドマン体操を行うことが有益です。コッドマン体操は、拘縮している関節周囲の組織を動かし、柔軟性を取り戻す助けになります。

痛みの出ない範囲で毎日動かすことで、拘縮が起きている組織の柔軟性が改善されていきます。重要なのは無理に動かすことはせず、毎日継続することです。

コッドマン体操は、肩周囲の筋肉や内部の関節包に刺激を与え、可動性を向上させるのに役立ちます。痛みがある程度軽減してきた時期から積極的に取り組むことが良いでしょう。

しっかりとした自己管理と根気が必要ですが、続けてコッドマン体操を行うことで、五十肩の回復を促すことが期待できます。また、自己管理に限界を感じた場合は、適切な専門医や理学療法士の指導を受けることも大切です。

大場接骨院では

【温める】五十肩かな?と思ったら

大場接骨院では、五十肩についての解説を行ってきましたが、その考えに基づいて施術を行っていきます。

五十肩の炎症期には、安静と保温を重視します。

拘縮期や解氷期に入ると、自宅で保温、ストレッチ、コッドマン体操を行うことをお勧めしています。

特に拘縮期からは、肩の周囲の組織が緊張しているため、その緊張を緩める施術も行っています。

私たちは一人一人の状態に合わせて、より早く痛みを減らすためのアドバイスや運動を提案しています。

身体の痛みや不調の原因を根本から改善するためには、どうすればいいのかを真剣に考え、最適なアプローチを行っています。

もし身体の悩みや五十肩に関する問題がありましたら、大場接骨院にご相談ください。

この記事を書いた人

大場接骨院

大場接骨院では様々な病院、整骨院、接骨院、整体院で元に戻ってしまう、変わらなかった痛みの原因に真摯に向き合います。
何処に行けばいいのかわからないその悩み苦しさ痛みを、原因の根本から改善し来院時とお帰りの際の変化を感じられる施術を行っています。