はじめに
学生が部活動をしている際に起こりやすい怪我はさまざまですが、野球をしている場合には特に肩や肘の怪我が多く見られます。
野球肘(ベースボールエルボー)は、肘の捻りによって起こる一般的な怪我の一つです。投球やスイングの際に肘にかかる負荷が大きく、反復的な運動によって肘の内側の靱帯や筋肉にダメージが蓄積されることで発生します。
他にも、野球においてよく見られる怪我としては以下のようなものがあります:
- 肩の故障:投球や送球の際に肩に負担がかかり、肩関節や周辺の筋肉や靭帯に損傷が生じることがあります。肩関節の脱臼や腱板(ロターターカフ)の損傷が起こることもあります。
- 手首や指の捻挫:スイングやベースランニング中に手首や指を負傷することがあります。特にスイング時には打球の反発やバットのミスヒットによる振動が手首や指に加わるため、捻挫や骨折が生じることがあります。
- 脚部の捻挫や筋肉の損傷:走塁や守備の際に脚部に負担がかかり、捻挫や筋肉の損傷が生じることがあります。走塁中のスプリントや急激な方向転換が原因となることが多いです。
部活動中の怪我を予防するためには、十分なウォーミングアップやストレッチ、正しいフォームやテクニックの習得、適切な休息やリカバリーの確保が重要です。また、トレーニングや練習の際には適切な装具の使用や指導者やコーチの指導を受けることも大切です。怪我の早期発見や治療にも注意を払い、適切なリハビリテーションを行うことで、怪我のリスクを軽減することができます。
肘が痛くなる原因は?
肘の痛みの原因は、何度もボールを投げたりバットを振ったりすることで肩や肘にかかる負荷が増えるためです。この過度な負荷は、肩や肘の周囲の筋肉に捻る動きを繰り返すことで引き起こされます。
振り方や投げ方によっても痛みの原因は異なりますが、徐々に肩や肘の周辺の筋肉に負荷がかかります。負荷がかかると筋肉は硬くなります。この硬直した部分が一部の筋肉に集中すると、炎症が起こり痛みを引き起こします。
また、特定の筋肉に負荷が集中することは、適切なフォームではなく無理な動きを行っていることを意味します。例えば、ボールを速く投げようとすると肘を強く捻ります。肘だけを強く捻ることで、特に肘の内側の筋肉が引っ張られます。これを繰り返すことで炎症が生じ、痛みが現れます。
野球などのスポーツで肘の痛みを予防するためには、適切なフォームやテクニックを身につけることが重要です。適切なフォームによって負荷が均等に分散され、筋肉への負担を軽減することができます。
また、定期的なストレッチやウォーミングアップを行い、筋肉を柔軟に保つことも重要です。適度な休息やリカバリーを確保し、無理な運動や過度な練習を避けることも怪我予防につながります。
もし肘の痛みや不快感を感じた場合は、早めに適切な治療やリハビリテーションを受けることが大切です。専門家の指導を仰ぎ、怪我の早期回復と再発予防に努めましょう。
ボールを握った状態からの無理な動き
肘の内側が痛くなる原因は、握った状態からの無理な動きによるものです。肘の内側にある筋肉は、ボールを握るときに使用されます。ボールを握り、投げる過程でその筋肉は収縮し続けます。
この際、遠心力も加わるため、肘の内側から指までの筋肉に負荷が何度もかかります。この筋肉は常に使用されるため、血行が悪くなり柔軟性が低下します。
野球を続けると、この状態で投球を繰り返すことになります。結果として、肘の内側の筋肉の付着部分が常に引っ張られ続けるため、痛みが生じます。
肘の内側の筋肉にかかる負荷を軽減するためには、適切なケアが必要です。定期的なストレッチや筋力トレーニングによって、筋肉の柔軟性や強度を向上させることが重要です。
また、投球時やバットを振るときには正しいフォームやテクニックを意識しましょう。適切な技術を身につけることで、肘にかかる負荷を分散させ、痛みを軽減することができます。
さらに、十分な休息やリカバリーを確保することも大切です。疲労が蓄積すると筋肉のパフォーマンスが低下し、怪我のリスクが高まります。適度な休息を取り、十分な回復時間を確保しましょう。
もし肘の内側の痛みが続く場合は、専門家の診断や治療を受けることをおすすめします。早めの対処と適切なケアによって、痛みの軽減や回復を促すことができます。
肘の痛みの改善方法は?
肘の痛みを改善する方法としては、以下の対処法があります。
- 安静: 痛みが出ている場合は、できるだけ肘を休めることが重要です。投球練習や過度な負荷をかける活動は避けましょう。
- アイシング: 炎症が起きている場合は、投球後にアイシングを行うことが有効です。氷や冷却パックを肘の周囲に当てて、炎症を抑えることができます。適切な方法でアイシングを行い、肘を冷やすことが大切です。
- 筋肉の柔軟性を保つ: 投球前と投球後には、適切なストレッチや筋肉のほぐしを行いましょう。柔軟性を保つことで、筋肉への負荷を軽減することができます。
- 早期発見: 自己チェックを行い、違和感や投げにくさがある場合は、痛みが出る前の段階で対策を取ることが重要です。痛みが出る前の早期発見に努めましょう。
痛みがある場合は、投球練習を中止し、肘に負荷をかけないようにすることが重要です。炎症が起きている状態で無理に動かすと、症状が悪化する可能性があるため、注意が必要です。
また、痛みが続く場合は、医師や専門家の診断とアドバイスを受けることをおすすめします。専門家は適切な治療やリハビリテーションプログラムを提案し、痛みの改善と再発予防に役立てることができます。
痛みが治まってきたら
痛みが治まってきたら、以下の方法を試して原因を改善しましょう。
- 身体全体のフォームの見直し: 肘を捻る動きが原因となっている場合、ボールを投げる時やバットを振る時には、肘や手首だけを使わず、身体全体を使うフォームに変更します。適切なフォームやテクニックを学び、肘への負荷を分散させるようにします。
- 手首の固定: 握った状態で手首を曲げてしまうことが肘の痛みの原因になることがあります。手首を固定し、身体全体を使えるようにするために、柔軟体操や手首の強化運動を取り入れましょう。
- 筋力トレーニング: 肘だけでなく、身体の他の筋肉も鍛えることで、肘への負荷を軽減することができます。バランスの取れた筋力トレーニングを行い、全身の筋肉をバランスよく発達させるようにします。
- プロフェッショナルの指導を受ける: 技術やフォームの改善には、専門家やコーチの指導が重要です。プロフェッショナルなアドバイスを受けながら、適切なフォームやテクニックを習得しましょう。
痛みを改善した後も、予防のために定期的なストレッチや筋力トレーニングを継続することが重要です。体のバランスを保ちながら、肘や関連する筋肉の負荷を適切に管理することで、再発を防ぐことができます。
前腕屈筋ストレッチ
前腕屈筋ストレッチは、肘を伸ばした状態から手首と手のひらを伸ばすことで前腕の内側にある筋肉を伸ばすストレッチ方法です。
具体的な手順は以下の通りです:
- 座って姿勢を正しくし、肘をしっかりと伸ばします。
- 手首を背屈(手の甲が後ろに向くように)させます。
- もう片方の手で伸ばした手を引っ張り、手首と手のひらをさらに伸ばします。
- 心地よい緊張感を感じるまでこの状態を保ちます。呼吸を深くし、リラックスします。
- 10~30秒間このストレッチを維持します。
- 手首と手のひらをゆっくりと元の状態に戻します。
このストレッチは前腕の内側の筋肉を伸ばす効果があります。定期的に行うことで前腕の柔軟性を向上させ、肘への負担を軽減する助けとなります。ただし、痛みや違和感がある場合は無理に行わず、身体の状態に合わせてストレッチの強度や時間を調整しましょう。
浅指屈筋・深指屈筋ストレッチ
浅指屈筋・深指屈筋ストレッチは、肘を伸ばしたまま指先を伸ばすことで浅指屈筋と深指屈筋のストレッチを行います。
具体的な手順は以下の通りです:
- 姿勢を正しくし、肘をしっかりと伸ばします。
- 手のひらを前に向けたまま、指先を最大限に伸ばします。
- もう片方の手で伸ばした指先を引っ張り、手首と手のひらをさらに伸ばします。
- 心地よい緊張感を感じるまでこの状態を保ちます。呼吸を深くし、リラックスします。
- 10~30秒間このストレッチを維持します。
- 手のひらを元の状態に戻し、指先を緩めます。
浅指屈筋・深指屈筋ストレッチは、手の指先と前腕の筋肉を伸ばす効果があります。これらの筋肉を柔軟に保つことで、肘の炎症を予防し、負荷に対する耐性を高めることができます。特に練習前や練習後に行うことで、筋肉の柔軟性を維持する効果が期待されます。
痛みが無くなってきたら、定期的に浅指屈筋・深指屈筋ストレッチを行うことをおすすめします。ただし、痛みや違和感がある場合は無理に行わず、自分の体の状態に合わせてストレッチの強度や時間を調整してください。継続的なストレッチの実施によって、肘の状態を改善し、怪我を予防することができます。
最後に
野球で起きやすい肘の痛みについて解説しましたが、痛みが出てしまった場合は早めの適切なケアが重要です。
当院では、肘の痛みがある場合には超音波やMCR(マイクロカレント療法)などの治療方法を用いて炎症を緩和し、患部をテーピングなどで安静に保ちます。また、痛みの原因となっている筋肉の引っ張りを減らすための施術を行います。
さらに、周囲の筋肉をほぐして緊張を減少させ、炎症の再発を予防するためのケアを行います。
痛みの改善には時間がかかる場合もありますが、安静と施術を組み合わせて痛みの減少や再発予防に取り組んでいきます。
もし痛みが中々減らず、どう対処すればいいのかわからない場合は、ぜひ大場接骨院にお問い合わせください。適切な治療やアドバイスを提供します。