はじめに
腰椎椎間板ヘルニアによる痛みや痺れの原因を理解するためには、腰椎の構造について知る必要があります。
腰椎は背骨の一部であり、柔軟性と支持力を持つ役割を果たしています。腰椎の各骨の間には椎間板と呼ばれるクッション状の組織があり、脊髄や神経根を保護しています。腰椎椎間板ヘルニアは、この椎間板が変形し、内部の髄核が飛び出した事で脊髄や神経根に圧迫を与える状態を指します。
腰椎椎間板ヘルニアの症状が現れる主な原因は、以下のようなものです:
- 椎間板の変性: 加齢や長期間の負担によって、椎間板の組織が弱くなり、変形しやすくなります。この変形が進むと、椎間板内部の髄核が飛び出し周囲の神経組織に圧迫をかける可能性が高まります。
- 椎間板の破裂: 椎間板が急激な負荷や怪我によって破れることがあります。この場合、内部のゼリー状の組織が外側に漏れ出し、神経組織を圧迫することがあります。
- 姿勢や運動の問題: 長時間の不適切な姿勢や重い物の持ち上げ、突然の激しい運動など、腰椎に負荷をかける行為は、椎間板に圧力をかけ、ヘルニアを引き起こす可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニアによる痛みや痺れの具体的なメカニズムは、圧迫による神経の刺激や炎症が関与しています。椎間板の組織が脊髄や神経根に圧力をかけると、神経信号の正常な伝達が妨げられます。これにより、痛みやしびれ、筋力低下、感覚障害などが生じます。
痛みが落ち着いてきた後のストレッチは、個人の状態によって異なる場合があります。しかし、一般的には以下のストレッチが腰椎椎間板ヘルニアの回復に役立つ可能性があります:
- 膝胸抱え込みストレッチ: 床に仰向けに寝て、両膝を胸に近づけます。数秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
- 腰伸ばしストレッチ: 床に仰向けに寝て、両足を伸ばした状態で腰を浮かせます。数秒間キープし、ゆっくりと元の姿勢に戻します。
- 腰椎回旋ストレッチ: 床に仰向けに寝て、両膝を曲げた状態で足を左右にゆっくりと倒します。腰椎の回旋を意識しながら行います。
これらのストレッチは、腰椎周辺の筋肉を柔軟にし、痛みを緩和する助けになる可能性があります。ただし、個々の症状や体の状態によっては、特定のストレッチが適さない場合もあります。症状の緩和や回復を目指す場合は、医師や理学療法士に相談し、適切なストレッチや運動を指導を受けましょう。
腰椎椎間板ヘルニアとは
腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の骨と骨の間にある椎間板内の髄核が飛び出し、神経を圧迫することで痛みや痺れが起こる状態を指します。
腰椎椎間板ヘルニアの原因は、主に以下の要素が関与しています:
- 姿勢の悪さ: 長時間の不適切な姿勢や姿勢の乱れによって、腰椎に不均等な圧力がかかります。この圧力が続くことで椎間板が損傷し、ヘルニアが発生する可能性があります。
- 遺伝的要因: 遺伝的な要素も腰椎椎間板ヘルニアの発症に関与していると考えられています。家族にヘルニアを持つ人がいる場合、自身も発症しやすい傾向があります。
- 過度の負荷: 長時間の重い物の持ち上げや反復する運動、突然の激しい運動など、腰椎に過度の負荷をかける行為は、椎間板に圧力をかけ、ヘルニアを引き起こすリスクを高めます。
姿勢の悪さや体重の支え方の問題により、腰椎に不適切な圧力がかかります。これにより、椎間板の一部が損傷し、内部の髄核が圧力を受けて飛び出してしまうのです。
本来、椎間板は圧力を吸収し、腰椎の中心で体重を均等に支える役割を果たしています。しかし、姿勢の乱れや過度の負荷によって圧力が偏り、椎間板の一部が損傷しやすくなります。その結果、髄核が外に飛び出してしまうのです。
腰椎椎間板ヘルニアの症状は、ヘルニアが発生した位置によって異なります。例えば、腰椎の下部であれば足の先や足の甲に痺れが現れることがありますし、腰椎の中央部であれば足から脛や膝に痺れが現れることがあります。
症状の範囲は個人によって異なる場合がありますが、一般的にはこれらの要因によって腰椎椎間板ヘルニアが引き起こされ、痛みや痺れが生じます。
腰椎椎間板ヘルニアの原因は?
腰椎椎間板の一部に体重や負荷が集中してしまう原因は、主に猫背や反り腰の姿勢にあります。
猫背や反り腰の姿勢では、背骨の一部に不均等な圧力がかかります。具体的には、猫背の場合は胸椎の後ろ側に、反り腰の場合は腰椎の前側に体重が集中する傾向があります。このような姿勢によって、特定の椎間板や周辺組織に過度の圧力がかかりやすくなります。
この状態が長期間続くと、椎間板に負担がかかり、組織が損傷を受ける可能性が高まります。椎間板の一部が弱くなったり破れたりすると、内部の髄核が圧力によって飛び出してしまい、腰椎椎間板ヘルニアが発生します。
姿勢の改善は、腰椎椎間板ヘルニアの症状の軽減や予防に効果的です。正しい姿勢を保つことで、体重や負荷が均等に分散され、特定の部位に過度の圧力がかかることを防ぐことができます。猫背や反り腰を改善し、良い姿勢を保つためには、適切な姿勢の練習や筋力トレーニングが重要です。
ですので、姿勢を見直し、適切な姿勢を保つことは腰椎椎間板ヘルニアの症状の軽減や予防につながります。定期的なストレッチや筋力トレーニングを取り入れることで、腰椎椎間板への負担を軽減し、健康な姿勢を維持することが重要です。
腰椎椎間板ヘルニア鑑別テスト
検査法としてはSLRテスト(神経伸長検査)を行い腰椎椎間板ヘルニアを鑑別します。
腰椎の椎間板ヘルニアではこれが一番大切なテスト法になります。
仰向けで寝てもらい痛みが出ている足を外側や内側にしたり、捻ったりせずにまっすぐにして踵を片手で支えます。
もう片方の手で痛みが出ている足の膝の上に手を置き膝が曲がらないようにしながら踵を持ち上げていきます。
健常者、痛みが出ていない人であれば70°~90°までは痛みなく足を上げられます。
途中で坐骨神経の範囲太ももの後ろに痛みが出てくるようであれば、角度と痛みの発生場所と痛み方を記録し次のテストを行います。
次はWLRテスト(神経伸長検査)です。
これはSLRテストを反対の痛みのない足で行う事で、痛みのあるほうに痛みが出たら陽性となり腰部椎間板ヘルニアの可能性が極めて高くなります。
FNSテスト(神経伸長検査)です。
これの目的としては上部腰椎椎間板ヘルニアを鑑別していきます。
ただし腸腰筋、大腿直筋等の筋肉が原因でも陽性になってしまいます。
実施方法としては腹ばいで寝た状態からしびれや痛みのある足で膝を90°曲げて片手で足を持ち上げ、もう片方の手でお尻が一緒に動かないように押さえます。
これにより股関節を伸ばしていくと太ももの前に痛みが出てきた場合は、上位腰椎椎間板ヘルニアの可能性が出てきます。
ヘルニア予防ストレッチ
注意!腰椎椎間板ヘルニアで痛みが出ている際に行うのではなく、腰椎椎間板ヘルニアで痛みや痺れが落ち着いたときや腰椎椎間板ヘルニアにならないようにする為のストレッチになります。
大腰筋ストレッチ
姿勢の悪さによって腰椎椎間板に負荷がかかりやすくなっていると腰椎椎間板ヘルニアだけでなく様々な腰痛の原因にも繋がりなりやすくなります。
大腰筋を伸ばし猫背、前屈みになっている姿勢を改善していきましょう。
大胸筋を伸ばす
肘を曲げた状態で、手から肘で身体を支えるように体重をかけながら胸を張るように伸ばしていきます。
壁など平面の場合は、伸ばしている側と反対に身体全体を向くようにすると胸のストレッチになります。
大胸筋が硬くなる事で肩が前に出やすくなり、猫背の姿勢が一番日常で楽になっていきます。
猫背になると身体は前に傾き首も前に出てしまい、ストレートネックになり腰の骨、筋肉に負担が大きくなっていきます。
猫背改善運動
姿勢を良くする為に背中をうまく使えるようにする運動で、 毎日朝夕と20回程度行うと効果的です。
猫背姿勢を改善するためには胸のストレッチだけでなく背中にある僧帽筋下部をうまく使えるように運動すると背筋を伸ばしやすくなります。
背筋を使って背中を反らすのではなく、腕を上げる事で背中の筋肉と肩甲骨を動かす運動になります。
大場接骨院では
腰椎椎間板ヘルニアの可能性がある場合はまずは整形外科に受診をお願いしています。
これは接骨院での施術を行う前に、まず何が原因であるかをレントゲンなどで確認していただくためです。
そして腰部の牽引、骨盤の調節をすることで、椎間板内部にかかる圧力を減らしてくことが必要になってきます。
腰椎椎間板ヘルニアが落ち着いてきても、姿勢の改善が無いとまた腰椎椎間板に圧力がかかり神経症状が出てくる場合があるからです。
その為に姿勢を改善していき、再発を予防していく事が重要になります。
ヘルニアは中々治らないものですが、姿勢改善で椎間板にかかる圧力が少なくなっていくと圧迫していた神経の症状も落ち着きやすくなっていきます。
痛みが長く続いていたり、痺れが強く出ている場合は自己判断せずに専門の病院に行くようにしてください。
その後に腰の張りや痺れ痛みがなかなか取れない場合は、周囲の筋肉を緩める事や姿勢の改善を当院で施術する事で椎間板にかかっている圧力を減らして痛みや痺れの軽減を行っていきます。
是非一度お問い合わせください。